2025年9月21日日曜日

【将来のために】

 


私は月に心理学の学会出張2回行きました

定期的に講演を聞き、ワークショップを受講し、

演題発表などで知見を広げております


ある若手カウンセラーの発表で

「将来、外出できるようになるため学校に行く練習をしたい」

という通信制高校生のケースの話題がありました

私の経験からするとちょっと違うなと感じました


「外出する」といっても、

コンサートに行く

プロ野球を見に行く

万博会場に行く

塾に通う

バイトに行く

など様々ですよね。


「楽しいことが確実に起きる」と思う外出と

「いやなことが起こりそうだ」と思う外出とでは

全く意味が異なるわけです。


「快適」という物の見方です


「将来のためにこれをやっておこう」

と考えがちですが、

場面や状況が変われば

できるようになることが多いもの


元気が低い人に

「練習」などは良くないのです


「将来のために元気を回復する」

を優先していただくのがお勧めです

2025年7月3日木曜日

【ほめると言うこと】



「はじめてのおつかい」と言うテレビ番組がありますよね。


5才の子供が一人で買い物に行って

指示されたものを購入して無事に帰ってくる!


その時にどのように声を掛けるでしょうか?

パターンとしては

A「エライね!」 

B「できたね!スゴイ!」 

C「ありがとう!助かる!」

などがあります。


Aは「この年齢でそれができるとは優秀だ」

と言う社会的評価です。


Bは自分がやってみたいと思ったことが達成できた。

と言う表現です。


Cは手伝ってくれて親が助かる。家族の役に立った。

と言う意味です。


5才のお子さんであれば

どれでも嬉しい言葉になります。


しかし

成長して思春期になると

Aは避けてください。

OKです。


成長とともに自分なりの価値観が生まれてくるのですが

Aは親の価値観の押し付けと感じてくるものなのです。


叱責するより褒めた方が良いとよく言われますが

「褒める」が「評価=価値観の押し付け」

にならないようにするのがポイントです。


2025年5月19日月曜日

【言葉のチョイス】

 


「甘やかす」

「放っておく」

「好き放題させる」


このように表現されると、良くないことだと感じてしまいます。


しかし、

「自主性・主体性を尊重する」

「自ら考えて行動できる環境にする」

だとどうでしょうか。


この表現を否定する人は少ないでしょう。


そして保護者様からよくお聞きするのは

「自発的にやる子は良いがうちの子は言わないと全く何もしない」

と言う表現です。

それは「鶏と卵問題」であると思います。


保護者様ガイダンスでもお知らせしている通り、

神戸セミナーの方針「内発的動機」というのは

「指示されなくても行動できるようになっていただくこと」

なのです。


そのためには

「目先の結果」

を重視するとできません。

前提として

    ストレスを下げて元気を回復すること

    どうすれば快適になるかを考えて自ら工夫すること

    自分の状況を理解してやりやすい方法で試してみること

こういった手順が必要なのです。


「出席・欠席」

「学習する・しない」よりも


「笑顔は増えたか」

「親との会話の質は変わったか」

注目していただくといいですね。

2025年1月29日水曜日

【やる気・意欲・前向き】

 


阪神淡路大震災から30年が経ちました

小学生が合唱で「しあわせ運べるように」を歌うのを聞くと

喜多は今でも涙が出てしまいます


この曲は素晴らしい曲であり

思いをつなぐ名曲だと思っています


しかし、、、、

「地震にも 負けない 強い心をもって」

との表現は適切ではないと考えます


心に「強い」「弱い」はありません


「やる気・強い意志・意欲・気力」

などは個人が創り出すものではなく

実は「実態」はありません


「強い意志がある」⇒

「前向きに行動する」⇒

「良い結果が出る」

と小中高の教員たちは思われていますし

多くの方はそうだと感じておられます


心理カウンセリングを25年間やってきた立場からすると


「良い結果が出る」⇒

「嬉しくなる」⇒

「やれそうな気持(意欲)が高まる」

という順番だと思っています

2024年12月12日木曜日

【「競争」と「自己肯定感」】











 


「生まれてきてくれてありがとう」

「生きているだけで嬉しい」

というメッセージは

その人の「自己肯定感」をはぐくみます


逆に

「お前なんかいない方がましだ」

という言葉は精神的の

「殺人」に匹敵する言葉です


後者の言葉が出てくる背景には

「人と比べて劣っている」

「社会的に役に立たない」

「自分の価値観に照らすとイライラする」

と感じた時に発せられることが多いものです


学力、学歴、収入、職業などで

「上か下か」「勝った負けた」など

競争をイメージすることが

自己肯定感を下げてしまいます


「○○をするお前は可愛い。しないお前は可愛くない」

などの言葉はその人の存在を否定することになります

2024年11月10日日曜日

【「やる気」という言葉について】





 テレビCM

「やる気スイッチ」

という表現を使う会社がありますよね。


皆さんは「やる気」とは

どういうものだと思われていますか?


「やる気」とは

これを実行したい!

あるいはこの結果を出したい

という「思い」や「気持ち」のことだと思います。


人はだれでも

「どうでもいい」

「関心がない」

と言う場合は行動しません。


では「何とかしたい」という強い思いがあれば

必ず行動するのでしょうか。

そうではありませんよね。


〇関心がない人に「ちゃんとやれ」「やる気を出せ」

 は無意味です。

〇やろうと思っている人に

 「やらなあかんよ」は逆効果です。


いずれにしても

「やる気」

という言葉は役に立たないので

使用禁止だと考えております。

2024年9月20日金曜日

【どの言葉を使うか】

 











言うまでもなく、世代や職業、

価値観などによってその人が使用する

「言葉」は異なります。


カウンセリングではなるべく、

相手の方が使った言葉を使って話すことが重視されます。


とくに

「はらはら」

「いらいら」

「ドキドキ」

「もやもや」

などのオノマトペは

その方のイメージの言葉なので、

具体的な内容は理解するのは困難ですが、

同じ言葉を使用することである程度の共有が可能です。


親子や家族であっても

「気持ち」を理解することは簡単にはできないのですが

「わかろうとする姿勢」は重要です。

そのためには「同じ表現を使う」

ということを意識してみてください。